豊作をもたらした神さんは秋祭りを終えると山の神となる。春になれば、再び里に降りてきて田の神になる。今日、15日は田の神を迎えて豊作を祈願する御田祭が天理市和爾町の和爾坐赤坂比古神社で営まれる。同神社を執り仕切る氏子らは公民館に集まり祭事の準備に取りかかる。拝殿に幕を張って御田祭の松苗50本を作られる。今年は特に寒いからといって、前日に作られた松苗は松に初穂(秋祭りで山の神に奉った稲穂)を束ねて奉書に包んでいる。ちんちろと呼ぶ松ぼっくりが付いているものもある。氏神神社に奉仕する役員は大老会と呼ばれており、五人の長老、宮守(一年神主)と十一人の大老、若衆四人で構成されている宮座二十人衆の組織だ。宮座のお役目終えて卒業する人がでれば、若衆の宮座入りが認められるものだが、一番若い人でも70歳を超え、その長寿を誇っておられる。神職を迎えて始まる祈念祭。町会役員は拝殿に登るが宮座衆は神殿と拝殿の間に座する。祓えの儀、春祭りの祝詞奏上、玉串奉奠など神事が執り行われた後に御田祭が始まる。境内にクワで田を形取ると、スキ、クワを持って畦塗りなどの所作が行われる。次は牛面を被った牛男が登場する。田主の綱さばきでモォゥー、モォゥーと前へ進む。その後ろにはカラスキ、マンガンが続き一列となって田を耕していく。(H20. 2.15撮影)
天理市 和爾坐赤坂比古神社 「モォゥー、モォゥー」
【天理市 和爾坐赤坂比古神社 「モォゥー、モォゥー」】
天理市 和爾坐赤坂比古神社 「お田植えの列」
【天理市 和爾坐赤坂比古神社 「お田植えの列」】
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