毎月1日に営まれる月並祭。奈良市池田町の熊野神社では陽が昇る前に年番当家が御供を供える。本殿にお神酒、洗米、塩、タイに季節の野菜に果物などなど。なかでも米粉を練ったシトギ御供が珍しい。お皿に見立てたツバキの葉を裏返してその上に少し乗せているシトギは訛ってシトゲと呼ぶそうだ。六末社や燈籠にも供えられるもので月並祭には必ず供えられる。月参りに来られた氏子は、参拝したあと洗米や塩を手で受けてたばって帰るのですと話すご婦人。そこへ大学受験を目指す高校生と一緒にやってきた親子。希望校ひとつに絞って、氏神さんに祈る手に母親の愛情が応援しているように感じた。朝早くにお参りを済ませていたお母さんはすでにシトギをたばっていて、コンロの火で葉ごと焼いて食べたという。まずくはないけどお酒が入っているのでほんのりと味がするのですとおっしゃった。お酒の肴になるんでしょうねといったら笑顔で返された。(H20.11. 1撮影)
池田町熊野神社 「氏神さんに合格祈願」
池田町熊野神社 「氏神さんに合格祈願」
池田町熊野神社 「月並シトゲたばり」
池田町熊野神社 「月並シトゲたばり」
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