二月堂修二会のお水取り松明が上堂されるとき、聞こえてくるのが東大寺の鐘楼。国宝に指定されている梵鐘の音色は温かく、身体の芯から響いてくるようだ。俗に奈良太郎とも呼ばれる梵鐘を一般の人が撞くことができる日は大晦日から元日に亘って撞かれる除夜の鐘の日だけ。篝火を焚いた鐘楼の前には800枚の整理券を求めて並ぶ人、人。22時には長い列を繋げている。5年間続けて撞いている若いご夫婦やはるばる群馬県からやってきた家族連れなど、梵鐘を愛して止まない人が多く参加している。午前0時になると一人の僧侶が鐘を撞く。そして順を待っていた人は8人組みずつ撞いていく。「引いてー、離してー」の合図とともに鐘紐を引っ張るもタイミングが揃わない。しかし、鐘撞き棒はゆっくりと振られて撞いていく。貪欲・瞑恚・愚痴など、さまざまな煩悩を取り払い、新たな気持ちで新春を迎える鐘撞きは百八つ。鐘撞きを終えた参拝者は二月堂、大仏殿、手向山八幡宮、春日大社へと初詣に足が急ぎます。(H19.12.31撮影)
東大寺 「鐘紐引き呼吸」
【東大寺 「鐘紐引き呼吸」】
東大寺 「除夜の鐘」
【東大寺 「除夜の鐘」】
 
inserted by FC2 system